お茶を取り巻く状況と番茶類の販売制限についてのご案内
2026/02/01

お茶を取り巻く状況と番茶類の販売制限についてのご案内

日頃より弊社商品をご愛顧頂きまして誠にありがとうございます。
2025年6月に『抹茶を取り巻く状況と価格改定についてのご案内』を当社より発信いたしました。その後、わずか半年というとても短い間に、お茶を取り巻く環境がさらに大きく変化して参りました。その結果、誠に心苦しいことですが番茶類の販売制限を行わざるを得ません。今起こっていることや今後の見通し、そしてこれらに対する私どもの方針についてお伝えいたします。

お茶の栽培について

お茶はチャノキという植物から生まれ、日本茶は育て方や加工の仕方によって、抹茶・玉露・煎茶・番茶(ほうじ茶、玄米茶など)と様々な種類のお茶を作ることが可能です。

煎茶・番茶は陽の光をさんさんと浴びた畑で収穫され、若い芽で摘まれ味わいが濃縮されたものが煎茶、それより大きくなった芽となって摘まれた軽やかな味わいのものが番茶となります。私どものお茶でいえば、ほうじ茶・玄米茶・大福茶というものは番茶から作られます。

一方で抹茶・玉露は、新芽が出てきた時にあえて一定期間陽の光を遮って育てます。この育て方によって渋味が抑えられ、旨味・甘味が濃厚な風味が生まれます。でもこの育て方はチャノキにとっては陽の光という栄養を制限されることになりますので、成長を補うために肥料を十分に施す必要がありますし人の手もかかるので一般的に抹茶・玉露が煎茶・番茶に比べて価格が高くなるのは、このような背景があります。

茶葉の収穫時期と味わいの関係

お茶の収穫は地域や各生産家さんによっても異なりますが、年1~3回収穫されます。春の4~5月のお茶(一番茶)は冬の間に蓄えた旨味・甘味の成分が凝縮されたお茶となり、7月頃のお茶(二番茶)はスッキリとした味わいのお茶となり、10月頃のお茶(三番茶)は軽やかな味わいのお茶となり、価格においても一番茶が尊ばれていく傾向にあります。

今まで培ってきた私どものお茶の味を保つため、抹茶・玉露・煎茶の中級から上級なものには一番茶が多く含まれ、その他のクラスや番茶類は一番茶と二番茶をブレンドしながら製造しております。

生産家さんを取り巻く状況と取引価格の推移

これまでのお茶の取引価格は他の農作物に比べて安定的に推移してまいりました。しかし生産現場では燃料費や資材費高騰によりコストは高まる傾向でしたが、取引価格はそこまで上がることはありませんでした。そのため生産家を辞められる方も少なくなく、茶畑の面積や生産家さんの数も下落基調にありました。

このような背景やトレンドの中、2024年度産の取引より変化が生じ、2025年度産の取引では状況が一変しました。

背景には、海外のお客様からの需要増加があります。2024年頃より海外のお客様より「抹茶」に対する引き合いを業界全体で頂戴するようになりました。そのため生産現場でも需要が高まっている抹茶への生産に全国的に切り替わって参りました。

しかし農作物であるお茶は新たに茶畑を作ってから飲めるようになるまでに、最低5年はかかりますし、新規就農者が増えている訳でもありません。そのため需要が増加しても、全体の供給量をすぐに増やすことができる訳ではなく、抹茶の生産も大幅に増えたとはいえ、需要を満たすほどの供給には至っておりません。また抹茶への生産の切り替えが進んだ分、他の種類のお茶が減ることになります。その結果、取引価格が全国的に高騰し、2025年度産の京都府産の一番茶の取引平均価格は前年比2.5倍となり、二番茶は2.9倍にまで高騰しています。

お茶の種類別に見ると抹茶は2.6倍、玉露・煎茶・番茶は1.3~1.8倍と抹茶が突出している状況です。加えて抹茶は平均価格そのものが他の種類に比べて高い傾向にあります。京都府内の機械で摘まれた抹茶(粉になる前は「てん茶」という名称で取引されます)は14,141円/kg、玉露は8,447円/kg、煎茶は4,482円/kg、番茶は1,225円/kgです。
このような状況ですので、高値につられて来年はさらに抹茶への生産切り替えが進んでいくことが予想されます。

今後の見通し

昨今では抹茶不足という報道もよく目にすることになりましたが、時間の経過と共に緩和されることが予想され、平均価格も2025年度と同じ程度で引き上がることは無いのではないかと考えております。

一方で今後深刻な懸念点としては抹茶以外のお茶、特に番茶の生産量が大幅に落ちることが予想されます。番茶の価格高騰も予想されますが、金額水準は抹茶の方が遥かに高いため、番茶への生産が大幅に増えることは難しいように感じます。

加えて番茶の原料となる二番茶そのものの生産が抑えられることも予想されます。これは一番茶で抹茶を生産すると、陽の光を遮って育てて、チャノキにストレスがかかった状態です。そのため二番茶の時期には茶摘みをせずに、木を休ませることによって、次年度以降の品質維持・向上が狙えます。また昨今の酷暑により、この時期に作業を行うこと自体がとても大変であること、このような理由により二番茶の生産そのものが減ることが予想されるからです。

番茶類の一部商品の販売終了と販売休止について

当社としましては、誠に心苦しいことではございますが、番茶の全体量が抑えられる中で、でもご所望いただくお客様皆さまに商品がお届けできますように、量目の多い商品の販売を終了させていただききます。

また量目の少ない商品や他の銘柄につきましても、販売休止や販売制限をとらせていただく可能性がございます。大変恐れ入りますが、何卒ご了承くださいませ。

極上ほうじ茶/極上玄米茶/くきほうじ茶/若柳/花粉/いり番茶/ほうじ粉/オーガニックほうじ茶/オーガニック玄米茶/1カップティーバッグ ほうじ茶25袋入

実施日: 2026年 3月 1日(日)より

■販売終了
極上ほうじ茶 200g袋
極上玄米茶 200g袋
くきほうじ茶 200g袋
若柳 200g袋
1カップティーバッグ ほうじ茶12袋入

■販売休止
ドリップティーバッグ ほうじ茶 ※再開時期未定

さいごに

直近のお茶を取り巻く変化の大きさで皆さまにもご心配をおかけし申し訳ございません。今後は玉露や煎茶にも何かしらの影響が出る可能性もございます。一方でこのお茶の価格高騰は生産家さんに直接恩恵が享受されております。従来のお茶の価格は生産現場目線では持続が難しい状況ではありましたので、日本の茶業の持続的な未来を切り開く転換点になっているかとも思います。

私どもも品質を最優先におきながら、価格に見合った以上の価値をお客様に感じて頂けますように、楽しみ方のご提案や商品開発に取り組んでいく所存でございます。引き続きお引き立て賜りますよう何卒よろしくお願い致します。

株式会社 一保堂茶舖