2026年10月・11月 商品仕様の見直しと価格改定について
日頃より弊社商品をご愛顧頂きまして誠にありがとうございます。
このたび、2026年10月・11月より、一部商品の仕様を見直し、あわせて価格改定をさせていただくこととなりました。
昨年来より価格改定や販売制限などへのご理解をお願いしてまいりましたが、2026 年度産のお茶の状況を受け、大変心苦しくございますが、今回も見直しが必要であるとの判断に至りました。このような判断に至った背景と、私どもの考えにつきましてご説明いたします。
これまでの経緯と取り組み
抹茶ブームで起きたこと
2024 年頃から世界的に抹茶への関心が高まり、急速に需要が増えました。ところが、農作物であるお茶は、新しく茶畑を作っても、収穫までには 5 年ほどかかるため、需要が増えてもすぐに生産量を増やすことはできません。その結果、2025年度産のお茶は、供給不足となり取り合いの様相になりました。とくに抹茶の取引価格が大きく高騰し、ほかのお茶(玉露・煎茶・番茶類〈ほうじ茶や玄米茶など〉)と比較しても1キロあたりの単価が非常に高い水準となりました。またご希望いただくお客様に満足にお求めいただけない現象も生じていました。そのため2025年10月に抹茶商品の価格改定に加え、仕様も見直し、より多くのお客様にお求めいただきやすい形へと変更いたしました。
抹茶ブームが他のお茶に与える影響
同じ茶畑でも、育て方や摘み取った後の加工方法によって抹茶、玉露、煎茶、番茶類など、さまざまなお茶になります。そのため、2026 年度産は、抹茶向けの生産への切り替えがさらに進み、玉露・煎茶・番茶類の生産量が大きく落ち込むこと、とりわけ、取引価格の低い番茶類が大きな影響を受けることが予想されました。番茶類は日々の暮らしに特に根付いたお茶です。お一人ずつへの販売は制限しながらも、出来るだけ多くのお客様に番茶類を楽しんでいただきたいとの想いから、2026 年 2 月には番茶類商品の販売制限を実施いたしました。
2026 年産のお茶を取り巻く環境
お茶の取引価格
4月よりお茶の取引が始まり、春のお茶(一番茶)・夏のお茶(二番茶)の取引が概ね終了しました。その結果、当初の予想どおり、玉露・煎茶・番茶類の生産量は大きく落ち込み、取引価格は高騰しました。一方で、抹茶の生産量は大幅に伸びましたが、需要は引き続き旺盛で、取引価 格は前年を上回る結果となりました。詳細は下の表をご参照ください。

取引価格から見えてきたこと
上表は京都府の市場データですが、他府県も同様の傾向が見られています。煎茶・番茶類は取引価格が高騰したものの、同じ重量あたりでは依然として抹茶の方が高い水準です。また玉露も抹茶に近い水準まで上昇していますが、抹茶は収量が多く、生産効率も高いことから、現状では抹茶生産への転換が続くものと考えられます。
今回の見直しについて
それぞれの銘柄の風味や品質の維持・向上を最優先に考え、産地(国産のみ)や茶葉の状況を見極めながら仕入れを工夫し、少しでも価格に見合う、さらにはそれ以上の価値を感じていただける商品をお届けできるよう取り組んでおります。しかしながら現在の状況では、同じ価格水準で風味や品質を維持することが難しくなっています。また従来の仕様のままで価格を改定した場合、手にとっていただきづらくなるとも考えました。そのため風味や品質を最優先に考えた上で、商品の仕様を見直し、価格を改定させていただくこととなりました。
今後の見通し、私どもの考え方
以前のような価格水準に完全に戻るかどうかを現時点で見通すことは難しく、また年ごとの変動はあるにせよ、現在のような水準がある程度続くものと予想されます。精度の高い予測をたてることは誰にとっても難しい状況です。
しかしそもそも以前のような相場水準は、生産家の皆様にとってお茶づくりの持続が難しいレベルでした。担い手が年々減少する一方で、供給が需要を上回っていたため、相場は低い水準で推移していました。長い目で見ても、以前の価格水準に戻ることが、お茶づくりの持続可能性に繋がるとは今は考えにくい状況です。
一方で現状の価格水準がお客様にとって望ましいものとも考えておりません。価格の上昇に伴い、お茶を召し上がる場面や頻度が変化している様子もうかがえ、今後さらにその傾向が進むことも懸念しております。
しばらくは不安定な相場が続くものと思われますが、お客様にも、また生産家の皆様にも、ひいては私どもにとってもより良いバランスに落ち着いていくことを願っています。
今後も風味と品質を何より大切に、お茶のおいしさを変わらずお届けできるように。価格に見合う、さらにはそれ以上の価値を感じていただけるような商品づくりに取り組んでまいります。今後とも引き続きお引き立て賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
株式会社 一保堂茶舖
代表取締役 渡辺正一
2026年10月〜商品価格改訂一覧(PDF)